2016年1月21日木曜日

トリクルダウンの恩恵を その1 -明光ネットワーク【4688】の獲得- 

「君、教育は一種の権利かと思っていたら全く一種の束縛だね。いくら学校を卒業したって食うに困るようじゃ何の権利かこれ有らんやだ。それじゃ位地はどうでも可いから思う存分勝手な真似をして構わないかというと、やっぱり構うからね。厭に人を束縛するよ教育が」
夏目漱石 『彼岸過迄』 新潮文庫
もうそろそろブログのタイトルから米国株式の看板をおろしたほうがいいかもしれません。明光ネットワーク(4688)とステップ(9795)を獲得しました。両銘柄とも学習塾を運営しています。

いやはや、先日、米国の人口動態を鑑みて、それに沿う投資をしていれば大きな失敗はないのでは、という記事『故郷の行方、人々の向かう先、そして The Bossを書いた舌の根も乾かないうちに、少子化が進む日本の、こともあろうに学習塾の企業に投資してしまうのは、我ながら首尾一貫性がありませんね。

ま、私の得意の行動パターンです。べつに狙っているわけではないですが。

年末に竹中平蔵氏がテレビでトリクルダウンなんてあり得ないと発言したとのことで騒動になっていたようです(ウィキペディアの『トリクルダウン理論』での引用だけで判断すると、氏は、トリクルダウンというよりフリーランチが無いということを言いたかったように見受けられますが)。

個人的には、以前に『トキとスズメの法則 - NISA枠獲得候補 【9795】(株)ステップ』で述べたように、日本での富の多くを握っている年配層から孫世代への教育費へ、という富の滴り落ちは今後も続くと睨んでいます。

というわけで、連続増配銘柄である4688と9795を注視していたところ、4688の株価が急落しました。
Yahoo! Financeより
不適切な労働時間管理が行われていた結果、一部の講師に対して給与調整金を払うことになり、約4億5千万円の特別損失を計上することになったのと、売上高の予想を、競合状況の激化による影響を反映し、下方修正したことが株価下落の原因かと思われます。

4688は株主還元に力を入れていて、18年連続増配中で、これは日本では花王に次いで2位のようですし、年間配当性向を35%程度から段階的に80%程度まで上げるとしています。

今回の特別損失は、株主還元策に影響がでるのでしょうか? キャッシュフローを確認してみました。


数値のソースは第31期有価証券報告書
普段米国の銘柄のキャッシュフローを見慣れているものにとっては、このキャッシュの多さは新鮮。第31期の投資キャッシュフローは、主に子会社の株式取得によるものです。

4.5億円の特別損失は、なんじゃない気がします・・・

ついでにBS、平成27年の8月と11月。
数値のソースは平成28年8月期第1四半期決算短信
うん、どんどん還元してください。

ただ、競合状況の激化と、襟を正すことによるコスト増の影響も気にはなるので、今回は100株だけ購入。
いや、他球団で″欠陥品″とみなされてしまっただけで、ポールは“傷物”という言葉で評価する。「傷があって、傷の存在をみんな知っているけれど、でもじつはたいして重大な傷ではない。そういう傷物の選手を発見するとわくわくします」 
マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山 宥・訳 ハヤカワ ノンフィクション文庫
なんとなく、検査に引っかかってドジャーズに入り損ねた選手を安く獲得したような気分でいるのですが、さてどうでしょうか。できれば2016年Q1中にあと100株追加したいと企んでいます。定期獲得枠として。

ついでに獲得した9795に関しては、また今度。

情報開示: この記事を書いている時点で4688 x 100株、9795 x 100株保有

Appendix セグメント別売上比率 


数値のソースは第31期有価証券報告書
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