2015年2月15日日曜日

インデックス株式投資、その分散は必要? -投資信託積立開始その2 ダウ工業株30種平均-

「この世で最後の一オーストリア・シリングをもらったら、パパはどうする?」子犬のおなかをなでながら訊いた。
「うむ、もちろん投資するさ。おまえはどうする?」
「誰かにチップであげちゃう」

ジョン・ル・カレ 『誰よりも狙われた男』 加賀山卓郎・訳 ハヤカワ文庫
先日授かった娘の教育資金準備のための「汝の父を敬え」作戦の2回目の記事です。1回目の記事はこちら
毎月投入する3万円のうち、2万円はSMTダウ・ジョーンズ・インデックス・オープンで積み立てます。ご存知、ダウ工業株30種平均の指数に連動するインデックス・ファンドです。

いやはや、どこまで米国株が好きやねんって突っ込まれそうですね。


インデックス投信をやってらっしゃる方々の株式クラス、とくに投資信託の場合はMSCIコクサイ(日本を除く先進国22ヵ国の株価指数)に連動するものが主流のように見受けられます。敬愛する3人のオヤジのひとり山崎元氏も、外国株式クラスだとニッセイ外国株式インデックスファンドを推していらっしゃいます


今回の作戦にはちょっと合わない(定額で自動積立できないため)ETFだと、世界の株価指数に連動するバンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)が結構人気のようです。


これらの指数に連動する投資信託・ETFがインデックス投資家に人気な理由は、(コストが低いのは当然として)分散が効いているからと思います。確かに一国の株価指数にだけ連動するものより、複数の国の指数に連動するものがリスクが低いのかもしれません。理由としてはもっともです。


またいろんな国や地域の経済発展がもたらす恩恵をもらさないという意図もあるかもしれません。


でもなあ。


ときおり参考にさせてもらっているKenzさんによるブログ、インデックス投資日記@川崎にVTの構成国の割合の円グラフが載せられていました。


こちらを見ると文字通り世界中、しかも小型の株式までカバーしており、人によっては、低コストで手間暇もかからずリスク分散ができ、なおかつ機会損失もない理想的なETFのようです。


でもね、私から見ると不必要なリスクをたくさん抱え込んでしまっているように思います。


さきの金融危機は、リスク分散化をはかるためにサブプライムローンを証券化し、その債権をいろんな金融商品に組み込んでいたため、結果的に多くの金融機関が知らず知らずのうちに多大なリスクを抱え込んでしまいパニック状態になったのが発端と理解しています。例によって私の理解なので、間違っていたら申し訳なし。


VTも、MSCIコクサイも、いろいろ分散されすぎていて、サブプライムローンの焦げ付きほど劇的ではないものの、不必要なリスクを抱え込んではいませんか?


例えば南米・南欧のサザンオールスターズ諸国。歴史的にこの2地域はつながり深いですが、いやはや、タイガー・ジェット・シンと上田馬之助のコンビくらいの信用感ですぜ。見てる分には楽しいけど。


中国にインド・・・そりゃ経済的に大きく発展していることは認めます。人々の暮らしも20年前と比べるとずいぶん豊かになったでしょう。今後ももっと豊かになる可能性は大きいです。


でもそれイコール株式市場の成熟化にはなりますまい。最近の中国の株価推移は正気の沙汰じゃないように見えます。インドは、あのジム・ロジャーズも匙を投げた国じゃなかったっけ、そのカーストに裏打ちされた官僚主義で。これらの歴史が長い大国たち、あと10年やそこらで洗練されるとは思えない。

日本は・・・以前このような懸念を書きました。


ヨーロッパ? ユーロは、あれ、たぶん、うまいこといきまへんで。おまけにしがらみが多いし。


やはり株式市場という点に限って言えば米国がもっとも洗練されていて、皆にフェアであろうと努めていると思いますし、そこで扱われている米国株式が一番信用できると考えています。地政的にも比較的恵まれているし。


それにダウ工業株30種平均に含まれている企業は、米国だけでなく世界中がマーケットです。新興国が発展したり、ヨーロッパ経済が持ち直したりすると、それがRevenueの増加というかたちで恩恵を受けます。


たとえばコカ・コーラ(KO)。販売量の約8割が米国外です。キャタピラー(CAT)、売上の約6割が北米外です。マクド(MCD)も約7割プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も約7割が米国外での売上です。もちろんなかにはホーム・ディーポ(HD)みたいに、ガラパゴス・イン・アメリカズみたいなのもいらっしゃいますけど。


なにも未成熟な市場や地政学的に不安定なところ(欧州含む)の株式を押さえておかなくても、ダウ工業株30種平均をおさえておくだけで、じゅうぶんに各国・地域の経済発展のリターンをもらすことなく享受できるじゃないか。

どうしてわざわざ避けることのできるリスクを抱える必要がある?


読んだことのないピケティさんふうに言わせていただくと、富は洗練されていてフェアな市場に集まるんじゃないかと思います。 

というわけでMSCIコクサイ連動の投資信託にするか、ダウ工業株30種平均の指数に連動するものにするか、けっこう迷ったのですが上記の理由でSMTダウ・ジョーンズ・インデックス・オープンにしました。

期間が短いので参考にはなりませんが、2008年6月30日から現在までのダウ平均株価(水色)、S&P500(赤色)、TOK(MSCIコクサイ連動のETF、緑色)、VT(ピンク色)の価格の比較です。

Yahoo! Financeより
とはいうものの、私も実はせめてS&P500に連動する投資信託が欲しかった。ETFの商品ラインナップの充実ぶりがうらやましい。

ともあれ、毎月2万円は米国を代表する30企業に託すことにしました。既に2月吉日より作戦は開始されています。今回の判断、18年後に読み直してアタマかかえてたりして。まあ、それも一興かな。

残り1万円分については次回の記事で。

情報開示:この記事を書いた時点でKO355株、MCD33株、PG50株保有


APPENDIX
ソースは海外投資データバンクのサイト
ダウ工業株30種採用銘柄(2015/2月時点)


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