2015年4月28日火曜日

眠れる獅子、進撃開始 -西へ-

その国の名はガンダーラ
何処かにあるユートピア
どうしたら行けるのであろう
教えてほしい
作詞 山上路夫・奈良橋陽子、作曲 タケカワユキヒデ、唄 ゴダイゴ
4/21の毎日新聞朝刊で中国の習主席がパキスタンを訪問した記事がありました。総事業費約460億ドルの「中国パキスタン経済回廊」の建設に向けて中国が発電所や交通網等の建設支援をするそうです。


これは習政権が提唱している「一帯一路(陸と海のシルクロード経済圏)」の旗艦事業になるとのことです。この経済圏についての詳しい記事は毎日新聞のクローズアップ2015:アジア投資銀に57カ国 米中の力関係、転機で見られます。

漢民族の歴史は、匈奴をはじめとする周辺異民族にたびたび脅かされ、その対策の外征をやったりして財政難に陥り、それがもとで国が亡ぶということを繰り返しています。

前漢の武帝あたりから始まった西への進出(西域経営)も、どちらかというと能動的なものではなく、北の匈奴対策というディフェンシブな発想でやっていたような印象です。

武帝は匈奴対策のために、はるか西に位置する月氏と協力しようとして、張騫という人物を使者として派遣しています。なんせ紀元前100年あたりの話ですからね・・・100人を超える使節団で出発したものの10年間匈奴の虜囚となり、13年ぶりに帰国したのは張騫と現地で得た妻・子供、それから案内人一人だけだったとか。

スケールのでかい話です。おまけに月氏には断られてるし・・・。

その前漢、外征による財政悪化が一因で滅びます。

後漢のときにはもっとも西域経営に積極的で、西域都護の班超の部下がローマを訪れるくらいだったのですが、今度はもう一つのお家芸の宦官・官僚の政権争いで国が衰退していきます。

その後、隋は周辺諸国への遠征が負担となって滅び、唐は隣接諸国の侵入で衰えていき、宋も異民族対策がもとで財政難に陥った挙句、ツングース系の狩猟民族に南へ追い出されてしまいます。

それ以降はチンギスハンの猛威や、満州民族による支配、欧米諸国や日本による干渉・半植民地化・戦争などがあって、漢民族にとっては世界のスーパーパワーどころか西域経営もままならない時代がながらく続きました。

第二次世界大戦後、世界革命路線の名のもとに、なにはさておきウイグルやチベットに進行していますが、たぶんここを押さえておかないと枕を高くして寝られないという中国3千年の歴史のDNAがはたらいたのでしょう。(以上、最近、山川出版社の『もう一度読む山川世界史』をぺらぺらめくっただけの知識です、念のため)

というわけで、万里の長城の向こう側にはあんまり熱心だったと言えない漢民族ですが、このたびの「一帯一路」に関して言うと・・・我々は今、痛い目にあわせられているから退治しに行くという何度も繰り返されてきた漢民族のリアクティブなD-Fenceな行動ではなく、プロアクティブに漢民族のプレゼンスを西の方向に高めてやろうという、世界史上初の東から西への文明のストライクバックを目撃しようとしているのかもしれません。

皇帝ナポレオンが恐れていた巨大な獅子が、ついに眠りから目を覚ましたのでしょうか。欧州各国がびびってアジアインフラ投資銀行に雁首揃えて参加するのもわからんではない。

それとも苦しくなってきた経済を支えるために、さながらバンザイ突撃のように長城の向こうへ打って出ようとしているのでしょうか。

官僚制度は発達しても株式制度が生まれなかった中国、今回資金面ではアジアインフラ投資銀行を後ろ盾にしようとしていますが・・・大丈夫かな。
アジアインフラ投資銀行に日本も参加すべきか否かはさておき、アジアでは年間7000億ドル超のインフラ需要の見込みがあるとも言われているようで(ソースは毎日新聞4/18の朝刊)、そりゃすごいですね。

おまけに中国、ちょっと西に進むと、もうそこは中東・アフリカではありませぬか。資源とチャンスの山が眠っておりまする。さすがでかいな中国、「えっ!?、静岡県の向こうってもう名古屋だっけ、でけえな静岡・・・」って小田原あたりで驚くどころの話じゃないですね。

というわけで、えーと、この記事はどこに行こうとしているのか、お・し・え・て・ほ・し・い・・・

強引に結論づけると、この歴史的ターニングポイントに乗っかろうとするんであれば、キャタピラー(CAT)、ついでに最近御大バフェットがポジションを増やした、ジョン・"Rain on the Scarecrow" ・ディア(DE)とかを獲得するのが面白いんじゃないか! ということになります。
Cat Loader / thejesse

三蔵法師はその昔仏教の古代王国をめざしました。経典をもたらし、人々を煩悩から解き放つ使命を帯びて。

ゴダイゴはかって歌いました、そこにいけばどんな夢も叶うユートピアであると。

2015年の現在、ガンダーラは巨額のインフラ需要の見込みがある資本主義の理想郷です。煩悩の源です。

どうしたら行けるのだろう? きっと地上に残されたキャタピラーの跡をたどれば迷わずにたどり着けるに違いない。
Deere 120C / SoulRider.222 

というわけで、近々CATとDEを再度レビューし、Q2の獲得候補にするか検討してみたいと思います。でもアニュアルレポート読む暇がなかなかねえ・・・。 

情報開示:特になし

このブログのCATの記事はコチラ、DEの記事はコチラ


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