2015年12月29日火曜日

光の射す方へ Season 2 -エクソンモービル(XOM)追加獲得-

僕らは夢見るあまり 彷徨って
大海原で漂って さぶいぼたてんだ wow wow wow
もっとこの僕を愛してほしいんだ 月夜に歌う虫けら
羽を開いて 光の射す方へ


作詞/作曲 桜井和寿 『光の射す方へ』 Played by Mr. Children
オイルはVictoryの匂いを帯びて - ヘルメリッチ&ペインの獲得 その1-で予告していましたとおり、2015年のQ4の定期獲得はエクソンモービル(XOM)になりました。

原油価格ですが、日本経済新聞の米、原油輸出40年ぶり解禁へ 原油安の圧力強まるの記事にあるように、米国が原油の輸出国になるようです。


ますます原油価格が下がることが予想できます。すくなくとも近々で上昇しないのでは。


XOM獲得はもう少し様子を見ることにして、代わりにユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)を獲得するか、直前まで真剣に迷ったのですが、結局まあいいや、タイミングを計っていたらきりがないや、とXOMにしました。

なんせ、(オイル)断大敵といいますからね。


さらに株価の下落が続くようでしたら、追加で獲得するまでです。


原油価格が下がり始めたころからのキャッシュフローの動向(四半期ごと)を確認してみます。


数字のソースはモーニングスターのサイト
原油価格下落が顕著になった2014年の秋は、営業キャッシュフローががくんと下がっています。でも投資キャッシュフローの金額は高いままです。

で、あわをくって(?)、other fin activitiesというカテゴリーで$7,287Mを調達していますが、10-Qレポートで調べてみるとAdditions/(reductions) in debt with three moths or less maturity とのことで、短期の負債でキャッシュを確保した模様です。


それで自社株買いと配当の原資を確保してますね。

次の四半期では$8,000Mの長期の(ズボラなので、満期のタイミングまで確認していませんが、おそらく)債券発行をして一息つき、一方で投資キャッシュフローは圧縮されています。

この業界、どうやらコスト削減は従業員用自動コーヒーマシンの撤去にまで及んでいるらしいですね。2015/11/3 毎日新聞 『低価格原油への対応』 田中 直毅・国際公共政策研究センター理事長) 

うしてみると、もう自社株買いのバッファーもあんまりないので、原油価格が下がったら、さらなるCapexのコストダウンか、借金でもしないと増配は厳しそうです。

$8,000Mの負債増加ですが、まあBSをみるとと、たいしたことないかな。




というわけで、今後の短期的な増配には期待を込めずに長期的な原油価格のリカバリーに備え、かついつ起こるやも知れぬドンパチへのヘッジもかねてXOMの追加獲得に至っています。

これからの原油価格の動向ですが、中東産油諸国、ロシア、米国の三つ巴のバトルが繰り広げられそうですね。

12月9日の日本経済新聞によると、中東の産油国で財政緊縮の動きがみられているようです。私のあたらない予想では、米国は世界の制空権だけでなく制油権(私が勝手に造った言葉)も本気で狙ってくると思いますので、絞め技の掛け合いになると、案外、中東諸国が先にタップアウトするかもしれません。


比較的イージーなマネーで成り上がった国に、財政緊縮ってのはけっこう厳しいんじゃないか、いろんな意味で。


ひるがえって、
アメリカ人は競争がその決着以上に好きな国民 (D・ハルバースタム『ベスト&ブライテスト 上巻』 浅野 輔・訳 二宮社)
でありまする。

そのうえ、エネルギーアナリストの岩瀬昇氏によると、米国には、企業家魂(またの名をヤンキースピリッツ)、鉱業権の在り方、パイプライン網、水を含む資機材・人材・技術力(経験に裏打ちされた職人技)、周辺サービス産業、教育機関、地理的優位性(シェール油田は基本的に人里から離れている)等々の条件が揃っております。 (『石油の「埋蔵量」はだれが決めるのか?』 文春新書)


オイルマネーの上に胡坐をかいた独裁体制(プーチン含む)は、この米国の底力にちょっとかなわないんじゃあないかなあ。


この考えに拠って立つと、非在来型油田での掘削機でシェアを伸ばしてきているヘルメリッチ&ペイン(HP)は、まだまだ面白そうですね。


さらには、掘り出されたガスやオイルはパイプラインで運ばれていきます。


てことは、最近減配して話題のキンダーモルガン(KMI)も興味深いですね。ちょっと調べてみようかな。今後のキャッシュフローの動向を確認してみてイケそうだったら獲得もいいかもしれません。

いや、他球団で″欠陥品″とみなされてしまっただけで、ポールは“傷物”という言葉で評価する。「傷があって、傷の存在をみんな知っているけれど、でもじつはたいして重大な傷ではない。そういう傷物の選手を発見するとわくわくします」 
マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山 宥・訳 ハヤカワ ノンフィクション文庫
もちろん長期的に見て・・・ということなので、あわてず騒がずじっくりと。

情報開示:このブログを書いている時点でXOM67株、HP50株保有


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2 件のコメント:

  1. お初です、私も今年からアメリカ投資を実践しているものです。
    私も、現在XOMを集中的に追加投資をしています。
    制油権、いい言葉ですねw
    私も、アメリカの歴史は金と石油で世界覇権を取ったといっても過言でないと思っています。
    私も、当たらない予想では、必ず原油価格は反転します。いつ反転するかはわかりませんが、この安くなった原油価格は必ず意図があると思います。
    裏で誰かが儲けるために、価格を変動させていると思っているので、いずれ何らかの地政学リスクで暴騰するはずです。
    ましてや、XOMはロスチャイルドが作った会社。
    買わない理由がないと思います。

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    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      個人的には、陰謀論的なものには一切組みしないです。それがユダヤ人であれ、地球外生命体であれ、エクソン帝国であれ。現在の原油価格は、省エネテクノロジーの発展、ジョージ・ミッチェルをはじめとするヤンキースピリッツが成し遂げたシェール革命、(主に)中東での政治体制の変動、米国の利上げ、エルニーニョによる暖冬等々、政治から自然現象まで至る、諸々の事象の結果だと思います。
      アラブ人とペルシャ人のイザコザも新たに起こっているので、しばらく原油は安そうですね。気長にいきたいと思っています。

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