2016年5月28日土曜日

終わりのないブルーズ(石油界隈) その2 - ヘルメリッチ & ペイン (HP) -

 最近はレバレッジに熱を上げているが、ファルドはつねづね流動性が重要だと信じていた。嵐に乗り出すなら手元に大量の現金がなければならない、とよく言っていた。
アンドリュー・ロス・ソーキン 『リーマン・ショック・コンフィデンシャル』 加賀山卓郎・訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 
*ここに出てくるファルドさんは、リチャード・ファルド氏のことで、リーマン・ブラザーズ破たん時のCEOだった人です。
ヘルメリッチ&ペイン(HP)の2016年度の第2四半期の数字が出ていたのでレビューします。The 3rd Man's  Fundの中では、この原油価格の動向下、一番安定感にかける銘柄と思っているので、まめにフォローしていきたいですね。

2016年5月24日火曜日

えーと、これはいささか・・・先の展開がおかしい

僕は綿谷ノボルを野球のバットで殴ってはいない。僕はそんなことをする人間じゃないし、だいいちもうバットだって持ってないのだ。でも彼らは僕の言うことを信じないだろう。彼らはテレビの言うことをそのまま信じているのだ
村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編』 新潮文庫
まず最初にお断りしていますが、私は1,000人の方がいらっしゃれば、1,000通りの、いやひょっとしたら3,000通りくらいの最適な投資のやり方があると思っており、その人が自身に適していると思ってやられているのであれば、どのような方法であれ、一切ケチをつけるつもりはありません。

2016年5月23日月曜日

ターゲット(TGT)の2015年度

ここのところ、米国の連続増配等株式は軒並み高い株価で推移しています。日本の新興株式市場並みとまではいかないかもしれませんが、ちょっと資金がなだれ込んできているような印象があります。以前『アメリカ株式に投資する前に』で書いたような懸念があるのですが・・・米国での利上げが進めばガタガタっとくる覚悟はしておいたほうがよいかもしれぬ。とくに経営にレバレッジをかけている銘柄中心に。

そんななか一足先(?)にガタッときているターゲット(TGT)をレビューしてみます。

2016年5月15日日曜日

東京都知事とリロ・ホールディングに告ぐ

 私にとって眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい。もし翌朝にリッツ・ベヴァリー・ホテルでハワード・スペンサー氏と会う約束がなかったら、ウィスキーを一本空けて、酔いつぶれて寝てしまうところだった。そして次にロールズロイス・シルバー・レイスの中に倒れている礼儀正しい酔っぱらいを目にしたら、あとも見ずに逃げ出したことだろう。自分で自分に仕掛ける罠が、何よりたちの悪い罠なのだ。 
レイモンド・チャンドラー 『ロング・グッドバイ』  村上春樹・訳 早川書房
舛添東京都知事が政治資金の公私混同疑惑で追及されています。

その取材の過程で、定例会見後、湯河原(の別荘)に行くのか?と問われた都知事が、まだ決めていないと気色ばむ一幕があったそうです。(ソース:日刊スポーツ『舛添都知事「会見後湯河原行くんですか」に怒気も』)

2016年5月12日木曜日

終わりのないブルーズ(石油界隈) その1

 エディがいった。テキサスシティ、金のにおいだ。彼は北側、低湿地の向こうを指した。もつれるようにして立ち並ぶ黒と灰色の煙突が、遠方のぼんやりとした景色を縁取っている。製油所と石油化学プラントのだ。みんな、あそこで働いている。
 勝手に働いていろ、レイ・ボブがいった。あいつらはみんな馬鹿だ。おれは絶対、あの手の場所じゃ働かない。有毒廃棄物のゴミためなんかじゃ。鼻が完全に馬鹿になっちゃう。
 払いはいいわ。物静かな声で、バックシートのデラがいった。
 そんなにはよかない、とエディ。彼は彼女を見返した。ああいうところにいると、癌になる。ひどいやつに。癌になりたい?

クリストファー・クック 『終わりのないブルーズ』 奥田祐士・訳 ヴィレッジブックス


米国のディープサウスを徘徊する悪党たちと、彼らを追うテキサスレンジャーを描いたノワール小説の傑作、『終わりのないブルーズ』は、舞台である米国のディープサウスの雰囲気をうまく醸し出していると思います。


読んでいるとじっとりと汗ばんできます。梅雨時のじめじめした季節にR.E.M.のDriveとかを聴きながら読むにはぴったりです。Nobody tells you where to go, baby...


ドクターペッパー片手に読むと、なおさらいいかもしれません。(関連記事:米大陸のガラパゴス銘柄、ドクターペッパー・スナップル・グループ(DPS)の増配


いや、実のところ、私は米国の南部には足を踏み入れたことはないんだけど・・・。

2016年5月8日日曜日

セント・ジュード・メディカル(STJ)のおさらい

 叔父はしばらく考え込んでいた。「思いあたる節は何もないな。でもそこの路地の両側を堀で塞いでしまったというのは、あまり良いことではなかったかもしれないな。入口と出口のない道というのは考えてみれば変なもんだものな。道とか川とかの根本原理は流れるということだからね。塞げば淀む」
村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編』 新潮文庫
何事も流れが阻害されるのはよくありません。

水が淀むと、腐臭が漂いボウフラがわきます。


タンスや銀行口座にお金がたまると、日銀の黒田さんの額に脂汗が光り、腹黒い詐欺集団が暗躍します。


日々新聞の見出しを飾る、追い出し部屋や待機児童、地方の衰退などの事案は、人材や不動産の流動性の欠落が根本的な原因になっていると思われます。企業がもっと気楽に解雇ができれば、そして従業員にその覚悟がそもそもあれば・・・おっと、話題がそれた。


そしてヒトの体にとって、流れが阻害されて一番困るのは、そう、血液です、循環器です。