2016年9月17日土曜日

非日常と現実との岸辺で - BOSEの獲得 -

「とくべつ?」
「ええ、何かとても奇妙なアクセントで、言葉をのばしたり縮めたりするの。まるで風が吹いているような具合に高くなったり低くなったりして」
 僕は彼女の手の中の頭骨を見ながら、ぼんやりとした記憶の中をもう一度まさぐってみた。今回は何かが僕の心を打った。
「唄だ」と僕は言った。
「あなたにもそれを話すことができるの?」
「唄は話すんじゃない。唄うんだ」
「唄ってみて」と彼女は言った。

村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)』 新潮文庫


約5か月ほど前のことですが、以前『サードマンの収入明細 (2016年2月)とヤング投資家K.の資産@28歳』で書いた、1998年から愛用していたCD/MDコンポが、とうとう壊れてしまいました。


この苦楽を共にした愛機は、購入直後にリコールがあり、またそれ以降も3回壊れて修理に出し(たしかそのうちの1回は五反田にあったソニーの修理センターまで行った記憶がある)、最後の修理のときは電気屋のおっさんに、「お客さん、もう次壊れたら部品はありませんぜ」と言われてたので、覚悟はしていたのですが・・・とうとうある日ムスメ(1.5歳)のために童謡のCDをかけようとしたところ、うんともすんとも言わず、冷たくなっていたのでした。

『ネコふんじゃった』をかけるのがいやでショック死したんじゃ・・・と思わないでもない。


その後私の転職も決まり、子育てもあり、とても忙しかったので、しばらく音楽のない生活を続けていたのですが、ここのところちょっと一息つけてきたし、もう前機の喪も明けただろうと思ったので、買ってしまいました。


BOSEのWave SoundTouch music system series IVです。



向かって左のCDジャケットは、U2の『焔』。
これ、何気に読んでいた日経新聞の広告で知ったんですよね。で、オンラインで注文しようとしたらなぜかうまくいかず、結局コールセンターに電話で注文し、料金代引きの配送だったんですが、配送屋さんの機械でなぜかクレジットカード決済ができず、しょうがないので近所のコンビニで現金をおろして支払ったという、徹頭徹尾、昭和な方法で購入しました。

今のウチのスペースではこれくらいのサイズがちょうどよく、この小ささのわりには音もわるくない。多少値は張ったが。


いいですね、あまり意識していなかったのですが、やはり5か月も音楽を聴いていなかったのでその渇望はすさまじく、最近毎朝晩これで音楽を聴きまくっています。おまけにムスメに聴かせるためにクラシック音楽のオムニバス盤を調達するよう命令を帯びて久方ぶりにCDショップにも足を運び、思いがえずレディオヘッドの新譜を発見して衝動買いをしてしまい、肝心のクラシックをすっぽかしてしまったりしたので、いらぬヨメのヒンシュクを買っています・・・


こいつのいいところは、Wi-Fiネットワークに接続し、世界中のインターネットラジオを聴くことができることです。そのうち6局まで登録することができるので、簡単に選局できます。最近ではこういうのがあたりまえなのかもしれんが。


さっそくその昔米国に留学していたころ、夜遅くまで勉強しながら(本当か⁉)ずっと聴いていた比較的ソフトなロック専門のFM局を探しました。


米国ではFM局がそれこそ星の数ほどあり、ロックやジャズ、クラシック等々の専門局が存在します。私がいた地域はとんでもない田舎だったので、圧倒的にカントリー専門が多かったのですが、2局だけロック専門があり、そのうちのひとつが私のツボにはまるソフトな(ハードやヘビメタ、ラップ等を除く)ロックを扱っていたのでした。


今回その局を選んでみると、スピーカーから流れてきたのはGin Blossomsの『Found Out About You』でした。うわー、これ、留学中によくかかってたなあ。次に流れたのはTalking Headsの『And She Was』。早速この局を登録します。


他にもジャズの専門局や、クラシックのOttavaラジオを登録しました。この季節、月を見上げてクラシックというのもなかなか乙なものですよ。


そして週末の午後。私はシューベルトのピアノ五重奏曲『ます』のCDを入れて、ソファーに横たわりそっと目を閉じる。徐々に私の魂は現実の世界から離脱し、数千キロの距離を飛翔し、アルプスのふもとを流れる清らかな小川にそっている小径を漂う。草原をなでる爽やかなそよ風、せせらぎの音、彼方には清廉たる山々、神々の黄昏、ツァラトストラは何を語りき・・・


突然、ブチンという身もふたもない電源音とともに、元気なお兄さんがテレビからぶんばぼーんと叫び、いっぺんに私は現実に引き戻される。そうか、にっぽんの土曜の5時は『お母さんといっしょ』だったか。いかん、これが終わるとムスメに夕食を食べさせないと・・・

☆☆☆


そう、非日常に逃げ込んでばかりではいけない。現実にもしっかり目を向けなければ。


てなわけで、転職先には企業型確定拠出年金がないので、SBI証券の個人年金プランに加入しました。Reality bitesなのだから、それに備えておかないと。それで選んだ商品の構成はというと・・・



  • DCニッセイ外国株式インデックスが70%
  • EXE-i グローバル中小型株式ファンドが30%

の2本立てになっております。この比率で毎月積み立てる所存です。

長期投資ということで、以下の考えで選択しました。



  • 長期的には株式への投資がリターンが一番良いだろう
  • 長期で投資するので、なるべく参加者が多彩で、フェアで透明性のあるマーケットで扱われている株式にしよう
  • 長期で投資するので、コストがなるべく安いものをピックアップしよう

これで選んでいったところ、まず株式以外の商品は除外されました。

次に新興国の株式がはじき出されます。私は新興国の経済的な発展を疑っているわけではないですが、それイコールそこの株式マーケットが洗練されるとは思っていません。中国でのサーキットブレーカー騒動も記憶に新しところですし。


ああ、そして、これは決して望むところではないのですが・・・Topixも引っかかってしまいました。なにせクジラだの日銀が大株主だの(ブルームバーグの参考記事:『ETF爆買いの果て、日銀が日経平均企業9割で実質大株主-試算』)、こういうところに長期投資はいささか心もとない。


限られた人数のかしこい人々が閉じられた世界でなにやらやっていると、長い目で見てかえってひどいことになるのは、オリンピックのエンブレムや築地市場移転の騒動で明らかなところです。


で、最後のコストの安さでアクティブな投資信託ははじかれ・・・という次第ですが、MSCIコクサイいっぽんやりもつまらないので、EXE-i グローバル中小型株式ファンドを加えています。


私としてはかなり安全志向で選んでおります。バートン・マルキールさんはけっして賛同してくれないでしょうけど。ま、人それぞれ。


情報開示:とくになし


プレーヤーがなかった期間は、代わりに私がよくムスメに唄ってあげたものです。私が「世界の終り」の場所で心を喪った美しい少女に「唄ってみて」と言われたら、『ネコふんじゃった』を唄うことでしょう。

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