2017年4月1日土曜日

サードマンの収入明細(2017年3月)とヤング投資家K.の怒り 

我が家の3番目のProfit Center、サードマンの収入のアップデートです。なお配当履歴のページも更新しています。サードマンの由来はこちら



今月は定期獲得としてJMスマッカー(SJM)、あとターゲット(TGT)を一般口座から全株放出して損を確定し、同数+2株を特定口座にて再獲得しています。

☆☆☆

いまから約20年ほど前のこと、私はある機械関係の中小メーカーで働いていました。そこでは自動車関連の部品も製造していました。


例のカンバン方式とやらで、忙しいときは日に何回も納品の依頼がきます。入社したての私も生産ラインに駆り出され、慣れない手つきで工作機械を扱っていました。

その会社にはトラック持ち込みのおっさんが雇われていて、彼が出来上がった製品を約60キロ離れた工場に納品していたのですが、一日に3回目の依頼があったときには、さすがにブチ切れていました。「えっ!? いまからまた行くんかい?」

そのトラックはボロボロで、文字通り黒煙を吐きながら、うだるような暑さの中をよろよろと走っていきます。おっさん曰く、納品先の工場の前では、たくさんの車がエアコンをつけるためにアイドリングしながら列を作って順番待ちをしているんだそうです。

それらの運搬車両は積もり積もって交通渋滞を引き起こしたことでしょう。事故の一因になったりしたかもしれません。

なんのことはない、世間でもてはやされているカンバン方式なんて、ようするに天下の公道を自分たちの倉庫代わりに使っているようなもんじゃないか。てめえらだけの部分最適じゃないか。

それで渋滞や公害をおこしながら出来上がった車がエコだって?

冗談もほどほどにせえ!

と、白人コンプレックスむき出しの自動車のTVCMを眺めながら、私は正義の怒りをメラメラと燃え立たせていたのでした。当時はプリウスの黎明期、オレも若かったな。

ここのところの物流・配送業界の労働負担のニュースに接して、そんな20年前の若き怒りを思い出してしまいました。昨今はどうやら企業だけでなく、一般家庭もカンバン方式を取り始めているらしい。Leanな、効率的な世の中になってきました。コンビニやアマゾンが台頭してきていますからね。



今後、なんらかの技術的な突破口が開かれるのか、サービスレベルを落とす社会的コンセンサスができるのか、ちょっと興味があります。

ところで最近TVをほとんど見なくなったのでわからないのですが、いまだにCMの車には白人4人家族とかが、にこやかに乗っているのかな?

☆☆☆

今月読んだ本。

 

例えばこういうことです。

日曜日、やっとのことで都合を合わせ(といっても2歳のムスメはいつでもいいのだが)、家族水入らずで少し遠出して、子供向け遊園地に行くことになったとする。ようやく春めいてきて天気も上々だ。朝早く起きてお弁当を準備し、フレッシュな太陽の光を浴びながら駅近くのファミレスで朝食を済ませる。

そのまま電車に乗り、さあ目的地の駅・・・というタイミングで、普段乗り物に乗り慣れていないムスメが、私に抱っこされた状態で先ほどの朝食を全部吐き出す。

あわててトイレに駆け込んで必死にありったけのウェットティッシュでコートや娘の服を拭くも焼け石に水、親子ともども吐しゃ物まみれ。遊園地をあきらめ、ひたすら泣きわめくムスメを連れ、意気消沈して帰宅する。

寒の戻った翌月曜日。コートをクリーニングに出してしまっている私はガタガタ震えながら出社する・・・

ここまで極端ではなくても、日曜日、とくにこれといって何もしないまま、はっと気が付くと既にサザエさんの時間になってしまっていた、という経験は誰しも一度はあるはず。そしてこう思うのです。きっと次の週末には、なにか善い出会いや出来事があるにちがいない…

ひょっとしたらアナタの人生そのものも、そんな風に過ぎていく休日のようなものかもしれない。

『タタール人の砂漠』は、アナタをじっくりとアナタ自身の人生と対峙させてくれる小説です。人生のステージが変わる機会が多い春に読むといいかもしれない。知らず知らずアナタ(ワタシ)自身もタタール人の罠にはまっているかもしれません。ことに長期投資を実践されている方々は・・・立ち止まって時間を作って丁寧に読まれることをお勧めします。なぜなら・・・時は遁走するからです。


日本と同じく多くの神々の存在するギリシャにおいては、主神ゼウスが調整役を務めることが多い。この重要な危機場面に誰も明確な調整役もリーダーもいないのが、日本神話の特徴である。
河合隼雄 『神話と日本人の心』河合俊雄[編] 岩波現代文庫
高天原の日の女神、アマテラスがスサノヲの乱暴・狼藉に耐えかねて岩戸に引きこもってしまい、世界が永遠に闇に包まれてしまいかねない危機が訪れます。このときに八百万の神(々)が事態解決に動くのだけれど…いやはや、この重大な局面においてですら、誰もリーダーシップをとった形跡がないのである。それでも事態は解決の運びになる…。

西暦712年ごろの日本の施政者たちが国の体を保つために、古くから伝わる伝承をベースに作られた神話が古事記なのですが(と私は理解している)、すでにその頃から日本には西洋的なリーダーはいない…というか、そういうリーダーが確立されそうになると、のちに巧妙に打ち消されたり、ときには水に流されたりしている。

神話そのものが、リーダーであろうとする人に対しての警告の書みたいですね。海外の神話では、追放された(流された)者の多くは英雄として戻ってくるのだけれど(モーゼからマッド・マックスまで)…

日本のマスコミや一般市民の権力者への姿勢というのは、対決というより、気に食わねえからとにかく流してしまえ的なところがある気がするな。私も含めて。

この本はとても興味深かった。

千年以上前からそういう土壌なのだから、日本からグローバル企業のCEOが出てこない…などと嘆いても詮無いことです。逆に、これから人類社会が平和に成熟していけば、日本的な中心不在のバランス感覚社会のほうがもてはやされるのかもしれない。

そういえば、マルクスさんは資本主義が発展・成熟したら共産主義になるとか言っていた、しかしそれにはどのくらいの長い歳月がかかるか不明だ、だから革命なのである…とかいうことをPolitical Theoryのクラスで教授がしゃべっていたのを覚えています。

いずれにせよ向こう数十年、いや数百年は、文化的にも経済的にもそういう成熟した社会になりそうにもないから、リーダーシップ x 資本主義=米国株式投資を地道に続けます。ちゃんちゃん。
  
情報開示:この記事を書いている時点でTGT45株、SJM33株保有

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