2017年11月10日金曜日

サードマンの収入明細(2017年10月)-人生で失ってはならないもの-

我が家の3番目のProfit Center、サードマンの収入のアップデートです。なお配当履歴のページも更新しています。サードマンの由来はこちら




10月は台風の襲来もあり、わけわからん天候でしたね。とても寒い日が続きました。それでも前半はポカポカ陽気で川遊びができるくらいでしたが・・・。小さい子がいると、週末の雨は厄介なんですよね。



今月読んだ本




 五月十五日朝、チャーチルはフランス首相ポール・レイノーからの電話で起こされた。「総崩れです。敗北を喫しました」それは横柄な態度の夫人を持ち、髪を染めた小柄で精力的な男にはまるで似つかわしくない絶望的な叫び声だった。
レン・デイトン 『電撃戦』 喜多迅鷹・訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫
ナチス・ドイツ軍による作戦発動は五月十日ですぜ・・・

9月に見た映画ダンケルク』ショックで、このノンフィクションの名著を十年ぶりくらいに再読しました。

副題に『From the Rise of Hitler to the Fall of Dunkirk』とある通り、第一次大戦のドイツ敗北からナチの台頭、ポーランド戦、そしてアルデンヌの森を越えてあの浜辺の桟橋まで、それこそ電撃的に一気呵成に読ませます。なにせ作者は「スパイ小説の詩人」の称号が誉れ高いレン・デイトンですからね。そんじょそこらのしんねりむっつりな歴史書でもなければ、ただ派手なドンパチだけの本でもありません。

でも、オレ、彼のスパイ小説は読んだことないんだな・・・もう入手は困難で・・・残念。

一回目に映画を見た直後から読み始め、読み終えたのがちょうど近所のIMAXがある映画館の最終上映日の前日。もちろん仕事をさぼり映画館へ足を運びました。読書で得た知識をもとに再度観ると、とても胸に迫るものがありますね。主人公にボン・ボヤージュと吐き捨てたあのフランス兵の運命はどうなったんでしょう。

映画ダンケルク』をIMAXで観なかったひと・・・You don't know what you've missed, men!

さて、我々は現在進行形の電撃戦を目の当たりにしています。そう、アマゾン(AMZN)が小売業界を中心に巻き起こしている一大旋風です。

受けて立つ旧来のブリック&モルタルズは、当時ヨーロッパ最強と言われた陸軍を擁し、ドイツ国境沿いにワイドモートどころではない難攻不落の要塞(マジノ線)を建設していたフランスと妙にかぶって見えますね。

戦車・急降下爆撃機・そして無線の3つを活用した革新的な戦術で挑むナチス・ドイツ軍がフランス軍にもたらした恐慌は、まさに現在のアマゾン・エフェクトが旧態依然の企業や業界にもたらしているものと同じに見えます。

こんな例えをすると正しい人が眉をひそめますけど。あくまで例えは電撃戦そのもので、ナチス・ドイツ軍ではないので、念のため。

多くのブリック&モルタルズ(ブリッツ&フロッグズではない)がダンケルクの浜辺に追い詰められています。関係各社の全従業員を合わせると40万人だったりして。それくらいじゃすまないか。

でもデイトンが本書で何回も指摘していたように、冷静に対処すれば、ナチス・ドイツの電撃戦もけっこう風穴だらけだったようで。一歩間違えれば結果が一気に逆転していた可能性もあります。

こんにちの電撃戦はどうなるでしょう。のるか、そるか。

理系脳3.0プロジェクト

以前『サードマンの収入明細(2017年8月)』で書いたように、投資家K.自身の転換も着々と進めております。というか、来し方を振り返ってみて、あまりにも理系・科学分野を食わず嫌いで避けすぎてたなあ…と雑誌『ニュートン』を読みながら痛感しています。いや面白いんだな、この雑誌。毎月いそいそと購入しています。

正直“マルチバース宇宙論”や”超ひも理論”って言われても目が点なのだが、こういうのは習うよりひたすら慣れろだ。

How did I miss it when I did not know it?

というわけで、これまでの人生の中であちら側にあったものを取り返すために、意識的に本のチョイスを変えつつあります。
で今月読み終えたのは:


 


「正しい」とか「誤っている」といえるのは、一般になんらかの条件や仮定がついていることなのです。
芳沢光雄 『かしこい人は算数で考える』 日経プレミアシリーズ
正直私に足りないものは論理的な思考能力なので、ベーシックなところから鍛えなおしたい。というわけで本書が第一弾。2か月くらい、ちょびちょび読んでいました。そもそも論理的な思考や数字への強さなんてのは、英語の力なんぞよりよっぽど社会人に必要なものです。私はここが致命的に劣っておりますな。

何はともあれ、なんの条件も仮定もつけることなく、XXの投資法が正しい・王道だ、投資初心者にはこの銘柄だ(そんなもん、どう考えてもあるわけないではないか)、あんな投資法は間違っている、みたいなことを言う人に出くわしたら、即座に回れ右して全力で逃げるに如かず、だ。算数の文章問題をきちんと解けるなら、そうそう惑わされたりはしませんぜ。
脳を詳細に調べてみると、確かに、神経細胞の総数は歳とともに減っていきますが、シナプスの数はむしろ反対に増えていくことがわかります。つまり、神経回路は年齢を重ねるにしたがって増加していくのです。この事実は、若い頃よりも歳をとったほうが記憶の容量が大きくなるということを意味しています。
池谷裕二 『記憶力を強くする』 講談社ブルーバックス
この本、面白かった。読み応えあり。『ニュートン』でも先月号はうつ病の特集でシナプス間隙が出てきておりましたね。

ブルーバックスは、とても興味深そうなタイトルがぎっしりと本屋さんの本棚を埋め尽くしています。これに気がつかなかったとは。私はいったい今までどこを見ていたのだろう。

情報開示:特になし

サードマンの収入明細の履歴はこちら

2 件のコメント:

  1. 今回も知性的な文章で興味深く読ませて頂きました。AMZNへの投資を検討なさっておられるのでしょうか?

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    1. 最近、近所の風呂屋さんに置いてある『行け!稲中卓球部』にハマっている投資家K.です。AMZNへの投資を考えるどころではありません。

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