2018年5月30日水曜日

株式への長期投資という選択 その4 -株式投資。What else?-

「あのですね、あなたたちがここに住むわけじゃないんですよ」と彼は言う。「これは純粋な投資なんです。これは部屋じゃないんです。株券と同じなんです。あなた株券の色とか柄とかを気にしますか? 好きも嫌いもないんです。これは値上がりします。私が保証します。買いです」
 でも結局我々はそのマンションを買わなかった。何と言われようと、僕にはそれは株券には見えなかったからだ。それは一つの部屋であり、人が暮らすべき空間であった。自分が好きになれないものなんて金を出して買いたくない。
村上春樹 『村上朝日堂 はいほー!』(文化出版局)収録の『スコット・フィッツジェラルドと財テク』より 
村上春樹氏が知人からワン・ルームマンション投資を勧められた際のエピソードです。バブルによる地価高騰の前の話らしいから1980年代前半から半ばくらいのころと思われます。上記の村上氏が好きになれなかった“やたらと細長い奇妙な部屋”は3千万円の物件だったけど、一年半後には5千万円を超えていたのだとか。

2018年5月25日金曜日

株式への長期投資という選択 その3 -農林中金バリューインベストメンツでの座談会-

Investing is an activity in which consumption today is foregone in an attempt to allow greater consumption at a later date. 
Berkshire Hathaway Inc., Shareholder letters, 2017
上記引用は、ウォーレン・バフェット氏による株主への手紙2017年の、座談会で話題になった箇所です。

2018年5月23日水曜日

インターナショナル・フレーバー&フレグランス(IFF)の新規獲得

 駐車場でブルーバードに乗り込むと、そばにいたときは意識しなかった佐伯奈緒子のほのかな香水の匂いがした。さすがに女の武器と言われるだけあって、不思議な作用をするものだ。青梅街道に出て、小止みになった雨の中を新宿へ向かって走り出したとき、遠くかすかにパトカーのサイレンが聞こえたような気がした。サイレンは私の頭の中で鳴っていたのかもしれない。
尞 『そして夜は蘇る』 HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1930 
探偵沢崎、改め澤崎さん、香りはなにも女だけの武器とは限らない。いわゆる日用雑貨・生活必需品を提供する大企業も、おおいにそれを使って人々をたぶらかしている。確かに貴兄のブルーバードにファブリーズは無いであろうと推察するが・・・しかし私立探偵とはいえ身だしなみには、多少は気を配るはずだ。整髪料、スキンローション、歯磨き粉、シェービングクリーム、洗剤、石鹸・・・

2018年5月19日土曜日

株式への長期投資という選択 その2 -農林中金バリューインベストメンツでの座談会-

 今や日本は世界第三位の経済規模をもち、世界最大の債権国の一つでもあります。世界的な富裕国家の国民が資本家的発想を持たず、一七〇兆円を超える家計金融資産の半分以上が銀行預金となっていることは、日本人の個人資産、ひいては日本の国富にとって重大な損失です
川北秀隆 / 奥野一成・編著 『いま日本を代表する経営者が考えていること』 ダイヤモンド社
前回の記事『株式への長期投資という選択 その1 -農林中金バリューインベストメンツでの座談会-』でも書きましたが、農林中金バリューインベストメンツさん(以下NVIC)は、農林中金〈パートナーズ〉米国株式長期厳選ファンド」の個人投資家向け公募設定を機に、一般的な日本人にも、利の乗らない貯蓄や投機的な金融商品ではなく、腰の据わった株式長期投資を訴求していこうとのお考えのようです。

2018年5月16日水曜日

株式への長期投資という選択 その1 -農林中金バリューインベストメンツでの座談会-

物事の本質は時代が移ろっても変わらないものである。大事なことは、資本家として(その投資金額がいかに小さくとも)企業の営む事業や企業経営者を主体的に選択し、その投資先企業の企業価値を時間をかけて楽しむことである。
奥野一成 / 川北秀隆 『京都大学で学ぶ企業経営と株式投資』 きんざい
誰かが誹ったにちがいない。GW明けの小雨がぱらつく肌寒い水曜日の夜、『新たなる情報源 ー農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドー』というロクでもない記事を書いてしまったがために農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)に目をつけられた投資家K.は、東京メトロ神田駅から徒歩約10分(迷ってしまい15分、JR神田駅前のうまそうな飲み屋街を横目で見ていて結局計20分)の鎌倉橋のたもとにある農林中金バリューインベストメンツのオフィスに出頭を求められた

2018年5月11日金曜日

A.O.スミス(AOS)の2017年度

三十年以上も前にエドワード・グレイ(第一次世界大戦中のイギリス外相)が私に言った言葉を、私は思い出した。合衆国は「巨大なボイラーのようである。いったんその下に点火すると、生み出す力には際限がない」という言葉だった。感激と興奮とに満たされ、満足して私は床につき、救われた気持ちで感謝しながら眠りについた。
W・S・チャーチル『第二次世界大戦3』佐藤亮一・訳 河合文庫
日本の真珠湾奇襲攻撃の一報に接したチャーチルが、米国の参戦確定による連合軍の勝利を確信したシーンです。彼の安眠は、戦艦プリンス・オブ・ウェールズの撃沈や、シンガポール陥落等で、たびたび妨げられることになりますが。

2018年5月2日水曜日